第1章 土台
拍子と拍分割
日本でギター教室を運営する講師が書いています。 公開日 2026年10月2日
拍子
時刻システムでは、24時間で1日という大きな単位になります。例えば「59時間後」より「2日と11時間後」の方が理解しやすく、約束もしやすくなります(時刻システムと拍システムの比較は「時計で考える」で扱いました)。
拍も同じです。拍を4つでまとめたものを4拍子とすれば、「59拍後」よりも「14小節と3拍後」とした方が理解しやすくなります(拍子の1サイクルを数える単位には、楽譜の記譜単位である小節を用います)。
また、拍子は単に時間の位置を把握するためだけのものではありません。1日の中に午前、午後の感じ方の違いがあるように、4拍子であれば、拍ごとに異なる感じ方が生まれます。
2つの2拍子とバックビート
2拍子には、アクセントの置き方で2つの形があります。図の棒の高さはアクセントの強さで、高い順に強・中・弱です(アクセントそのものは「アクセント」の回で扱いました)。
ポピュラーソングでは、一般に②が用いられます。この2拍目(4拍子では2拍目と4拍目)のアクセントを、バックビートと呼びます。この連載では以降、特に断りのない場合、2拍子は②、4拍子は②を2つ並べたものとして扱います。クリックをバックビートに置いて練習する方法は「クリックを2拍4拍に置く」で紹介しています。
ポピュラーソングのリズム
ここでいうポピュラーソングとは、西洋音楽を源流とした音楽体系が世界的に広がる過程で新たな要素が加わり、一般の聴衆に広く受け入れられている現代の音楽を指すことにします。私自身はポピュラー音楽を専門としており、軽々にクラシックの領域を論じることはできませんが、クラシックと呼ばれる時代の音楽とポピュラーソングの違いの一つに、リズムの捉え方があると考えています。
例えば同じ4拍子でも、拍目のアクセントは次のようになります。
アクセントの位置は「聴く側の捉え方」でいくらでも解釈できそうなのが面白いところです。アクセントの位置が変わっても、各音の発音位置そのものは同じです。ですから、クラシックの名曲をロック風にアレンジした曲を聴いても、特に混乱することはありません。ただし、同じように演奏するには、演奏者の意図を注意深く聴きとれなくてはいけません。
よく使われる拍子と5拍子
一般的なポピュラーソングでは、2拍子、3拍子、4拍子が多く使われ、一曲を通してひとつの拍子を続けることが多いです。
5拍子は、3拍子と2拍子(または2拍子と3拍子)が交互に並んでいると考えた方が、分かりやすい場合が多いでしょう。5拍子・7拍子の具体的な練習と盤面の組み方は「5拍子・7拍子への入り方」にまとめています。
拍分割
1時間単位だけでは、細かな予定を立てるのに不便です。1時間を30分、15分、あるいは20分、10分ごとに区切ることで、より詳細な予定を立てられます。拍も同じで、1拍を1/2、1/3、1/4と分けることで、より詳細な発音のスケジュールを立てられます。
基本となる拍分割(基本分割)は2等分か3等分とし、さらに細かい分割は、そこからさらに1/2、1/3に分けることで表現します。
そのため、同じ1/6でも、基本分割1/2をそれぞれ3等分したもの(3+3)と、基本分割1/3をそれぞれ2等分したもの(2+2+2)が存在し、両者を区別します。
これらが何のためかは、こちらに書いています: パルスとパターン——メトロノームは足場にすぎない